角栄団地診療所だより
歩くということ
皆さんは特に歩くとき意識して歩くことはないと思います。散歩のときは手を振って踵からつけて歩いておられると思います。
さて、どのような歩き方が良いのでしょうか?膝・足首・腰・股関節が痛くて散歩できない、足がしびれるという方も多いのではないでしょうか?
ある雑誌で江戸時代の歩き方というのが紹介されていました。「ナンバ歩き」というのだそうです。矢野龍彦先生が提唱しておられるそうで、「ナンバ」は「難場」を意味し、悪路、坂、歩きにくい服装、疲労時に向く歩き方だそうです。
平らな道や下り坂では、右足を出すときに右手のひらを下に向け押し込むようにする。階段や坂を登るときは、右足を上げるときに右手を上にあげて手で足を引っ張り上げるようにする。反対の手は逆に動かしますが、荷物を片方に持っている場合は片手だけでも良いようです。
つまりあやつり人形のように自分の手足を動かすのですね。そして踵からつけて歩くことを意識しないで自然に歩く、足全体を下ろして歩く、蹴らない、ふんばらない、腕は自然に上下に動かすという歩き方です。
アフリカのマラソンランナーは踵から着地せず、つま先を先に着けて走るそうです。踵を先に着けてという歩き方は関節を痛めたり、滑って転ぶこともあります。雪の日などは特に注意が必要です。
急がずゆっくり大股で歩くのも良いと思います。呼吸も歩行にあわせて「息を吐く・吸う」という方法もあります。
そのようなわけで、皆さんも歩き方を工夫してみてはいかがでしょうか?