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赤毛のアンとロマン・ロラン

赤毛のアンの作者モンゴメリーとロマン・ロランは直接の接点はありませんが、第一次世界大戦を背景に、それぞれの著作において戦争への思いや人々の生活が描かれています。この記事ではその共通点と感想について綴ります。

母の朗読から始まった読書体験

母がNHKラジオ朗読で市原悦子さんによる「赤毛のアン」を聞いたことがきっかけで、私自身も読み進めることにしました。特に「アンの娘リラ」では、カナダ人視点の第一次世界大戦が描かれています。

リラが記す戦時の記録

若者の戦争参加、家族の葛藤、死や行方不明、戦傷などがさまざまな立場から描かれています。1918年10月6日の記述では「ドイツとオーストリアが講和をもとめています」とも記されています。

ロマン・ロランの戦時の日記との比較

ロランの「戦時の日記」は日付ごとの記録で、多くの手紙を受け取っています。ドイツ人の母やフランス人からの手紙など、多様な感情が描かれており、ロシア革命についても詳しく言及されています。

モンゴメリー作品に描かれた詩

特に印象的なのが「笛吹き」と「余波」という詩です。以下にその全文を紹介します。

「笛吹き」

ある日 笛吹きがグレンの町へやってきた
甘く低い音色で 彼はいつまでも吹き続け
愛する者たちにどんなに請い願われ 引きとめられようとも
子どもたちはぞろぞろと 家から家へとついてゆく
彼の奏でる旋律は
森の小川の調べのように 限りなく妖しい

いつの日か 笛吹きはまたやってくる
楓の国の息子たちに その旋律をきかせるために
君もぼくも 家から家へとついてゆき
ほとんどの者が 二度と再び帰らない
かまうものか
自由が 故郷の丘に栄冠として掲げられるならば

「余波」

今や年老いた我々も かっては若かった・・・・
美しい空の下 熱き心で闘った
沸き滾る血潮に 小心者は無頼の者と化し
死を怖れる者は ひとりもいない
忌まわしい喜びに 酔いしれて
地獄に解き放たれた 悪魔のごとく どよめき笑う

そして 東の空に 紅い月が昇る時
私は ひとりの若者を殺した!

戦争を巡る思索

モンゴメリーは戦争を正当化する論理に疑問を持ち、リラの物語では若い女性の視点が丁寧に描かれています。ロランの日記にも戦争の悲惨さ、民衆の声、休戦後の困難が記されています。

まとめ

アンの物語とロマン・ロランの記録は時代と地域を超えて響き合います。戦争は誰にとっても悲しみをもたらすものであり、私たちは今一度平和について考える必要があります。